今からIBを始める君へ:風刺画から紐解く第二次世界大戦

こんにちは。日ごとに寒さがつのってまいりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

実は、ついこの前(2021年11月)IBの最終試験が終わりこのブログを書いています。今まではこのIB試験が終わって勉強から解放される事をとても望んでいたのですが、いざ終わってみると、結果開示までかなり時間があるのでとてもそわそわします。なんだか落ち着きません(笑)

今回は、IBで特に「バズった!」と私が思う授業を紹介していきたいと思います。

DP歴史という科目について

一つ目は、試験前のとあるバズった歴史の授業です。

その前にまずIB歴史について説明させてください。この教科は様々なトピックがあり、自由に選択することができます。下にある「指定学習項目」から1つ、「世界史トピック」から2つ、もしハイレベル(HL)をとるなら「HL選択項目」から3つ選ばなければなりません。

シラバスの構成
指定学習項目1.    軍事指導者 2.    征服とその影響3.    世界規模の戦争への動き4.    権利と抗議運動 5.    紛争と介入
世界史トピック 1.    社会と経済(750-1400年) 2.    中世の戦争の原因と結果(750-1500年) 3.    王朝と支配者(750-1500年) 4.    過渡期の社会(1400-1700年) 5.    近世の国家(1450-1789年)6.    近世の戦争の原因と結果(1500-1700年) 7.    産業化のはじまり、発展とその影響(1750-2005年) 8.    独立運動(1800-2000年) 9.    民主主義国家の発展(1848-2000年) 10.    独裁主義的国家(20世紀) 11.    20世紀の戦争の原因と結果 12.    冷戦:超大国間の緊張と対立(20世紀)
HL選択項目1.    アフリカと中東の歴史 2.    南北アメリカの歴史 3.    アジアとオセアニアの歴史 4.    ヨーロッパの歴史
内部評価 歴史研究(研究対象の歴史のトピック は、生徒が自由に選択する)

例えば、歴史スタンダードレベル(SL)をとっている人ならば…

「指定学習項目」3.世界規模の戦争への動き
世界史トピック11.    20世紀の戦争の原因と結果 12.    冷戦:超大国間の緊張と対立(20世紀)
HL選択項目SLなのでとらなくてよい
内部評価 例「アメリカによる日本への原爆投下の意味」

とのような感じで授業をします。

風刺画から過去の事実を読み解く

では本題の「バズった!」と思った授業を紹介させてください。それは、風刺画アクティビティーです!

私がIBを始めて衝撃的だったのは、風刺画から過去の事実を読み解くということ。今までは教科書に載っている文章をただ読んだりして、歴史を学んでいました。しかし、IB歴史では学ぶ方法が一気に広がった気がします。例えば、風刺画や教科書はもちろん、実際の政府の文書を読み解く事や、歴史家の本から主張を学ぶ事などなど…とても多様です。

この写真は実際の風刺画アクティビティでつかったワークシートです。私は「指定学習項目」の「3.世界規模の戦争への動き」を選択していて、ここでは第二次世界大戦はなぜ起きたのかを風刺画から紐解きました。

第二次世界大戦が起きた要因には様々な要因がありますが、どの要因が最も重大だったのかや、多要素の相互作用をIB生は論じなければなりません。例えば、世界恐慌からくる経済的な影響だったり、ファシズムや全体主義といったイデオロギーだったり、国際連盟の弱体化だったり、英仏の宥和政策だったり….ありすぎでキリがないですね(笑)。

ですが、それらを整理して考えをクリアに論じる事がIB歴史の授業で求められると思います。実際に最終試験では「日本の軍国主義の台頭の要因を論じなさい」みたいな漠然とした問題が聞かれ、説得力のあるエッセイを書かなければなりません。そのため、普段から様々な史料に触れて対策してました。風刺画もその一つです。絵には皮肉がたっぷり表現されているのでとても面白く私は好きでした。

今からIBをはじめる方へ

IBの中でも特に変わっているのが歴史だと思います。2年間授業を受けてきて、受験のためではなく人生において役立つ知識を得れた事に充実感を感じています。近代史を集中的に学ぶことは今の国際情勢を知る上でとても大切ですし、授業を通して「平和とは何か」という事をよく考えさせられました。もしIBDPを受けるか悩んでいたら下の表を参考にしてください。個人的に思った高校世界史とIB歴史のメリット・デメリットをまとめてみました。

メリットデメリット
高校世界史幅広く総合的な歴史を学べる多くの知識量を総合的に身に着けられる共通テスト受験で必要な知識を得られる一つ一つの出来事を深堀りするわけではない暗記の側面が強い教科書に載っている内容から学ぶことが殆どである
IB歴史特定の時代に焦点をあてて深堀りしていく覚えるより考えるを身に着けられる。(教科書が英語であるため)英語力も向上できる主体的な学習でアクティブラーニング型特定の年代の歴史しか学ばない資料入手に困難するケースがあり、学習には手間がかかる教科書以外の歴史家の本を使用して学習するかなりの学習量が求められる共通テストは受けられない

IBは難しく感じる部分が沢山ありますが、その分得られるものは大きいです。ぜひ世界基準のIB歴史を学んでみませんか!?最後まで読んでいただきたいありがとうございました。