第1回 min-naの探究marche at 市立札幌開成中等学校(09.18)-前編-

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9月18~19日の2日間にDP認定を受けたばかりの市立札幌開成中等学校の公開授業・発表会『第1回min-naの探究marche~生徒がどんどん動く新たなma-na-biの創造~』に伺いました。

札幌開成

市立札幌開成中等学校は私にとってIBの入り口になった場所です。私の前任校である筑波大学附属坂戸高等学校(筑坂)でIBを導入するかしないかという時に、訪問させていただいたのです。その時は文部科学省から筑波大学附属学校教育局に出向されていたN次長と現在筑坂でIB主任をされている本弓先生と3人で伺ったのを覚えています。

そのときはまさか私がコーディネーターになるとも思ってもいませんでした。IBのことなど何も知らずに、その日授業がなかったという理由で行けと言われるがままに、北海道に行けるってはしゃいでいた私……。その後、どっぷりIBハマることになりましたが、相沢校長先生やコーディネーターの西村先生ら、開校準備をされていたみなさんの情熱にはいつも励まされました。

熊谷が言語サポートを務めたMYP保健体育のワークショップを振り返ります。

昨年はMYPのワークショップの言語サポートとして再訪した時は、感慨深かったのを覚えています。そして今回、ワークショップに参加された先生方も授業を公開すると聞き、みなさんと再会できることを楽しみにしていました。

ユニットプランナー

MYPでは各教科で指定された「重要概念(Key Concept)」と「関連概念(Related Concept)」を授業でとりあげます。保健体育では、それぞれ「変化・コミュニケーション・システム」と「適応・バランス・選択・エネルギー・環境・機能・相互作用・動き・ものの見方・改良・空間・システム」です。

単元ごとに重要概念を1つ、関連概念を2つ程度選び、そこに「グローバルな文脈(Global Context)」を盛り込んで探求テーマを設定します。今回私が参観させていただいた高校1年生のハンドボールの授業では、「コミュニケーション」を「重要概念」に据え、「適応・システム・空間」を「関連概念」に、「アイデンティティと関連性」を「グローバルな文脈」にしてユニットプランナー(単元指導案)に設定されていました。

授業は4つのパートで構成されています。まずは対面・スクエアパスなどの基礎練習、そして作戦・戦術・練習のパートからなるチームミーティング、そしてゲーム、最後に振り返りが行われます。特に印象に残ったのが、チームミーティングにおける生徒個々人が平等に発言していたことです。必ずしも運動が得意な生徒ばかりではないようでしたが、それぞれの個性を活かして戦術が練られていました。

体育をファシリテートする

振り返りの時間は授業をされた佐藤先生の真骨頂です。問いの出し方が秀逸。「そこにつなげるかぁ」と参観していた先生たちはため息を漏らしました。技あり!

佐藤先生は、作戦会議で立てた戦術がゲームでどの程度実践できたかと問いました。意図したことをどの程度発揮できただろうか、と。すると、生徒は口々に、「難しい」とか、「忘れてしまった」とか、うまくいかなかった感想を述べます。

そして、さらに問いは畳みかけられます。作戦が実践でうまく行くためにはどんな条件が必要なのか。すると生徒は、技術を磨くこと、意思を共有することなどを挙げていきます。

その過程に、佐藤先生はコミュニケーションを主軸に、適応・システム・空間という概念を補いながらフィードバックしていきます。戦術がどのように実践に適応されてるのか、バスケットボールとの共通点と相違点を考察しながら、システムを認識できるようにファシリテートしていました。

ゴールが小さいバスケットボールと、ゴールが広いハンドボール。同じゴールに多く入れた方が勝つ球技ですが、考えてみればディフェンスの仕方も異なります。なるほど、空間に繋がっていくのですね。

最後に

公開授業が終わると、教科会が行われ、私は保健体育の教科会に参加させていただきました。テニスの授業を公開した森先生も昨年のワークショップに参加されていました。森先生は物理の授業とコラボしながらより遠くへ球を飛ばすにはという部分を体育の実践で扱ったと話されていました。何も単元のすべてを他教科と横断的に授業するのではなく、ある一部分だけでも実践してみると、もっともっと発想は広がりますよね。

佐藤先生はユニットプランナーを作りながら、自分が嗜好する概念があることに気付いたと話されていたのが印象に残っています。指導者が教師として指導を下支えしていることが何であるかを理解する過程なのかもしれません。

お二人とも学習指導要領とMYP体育の科目ガイドの狭間で苦しんだとおっしゃっていました。今もまだもやもやしていると。確かにMYPは義務教育の3年間を含みます。もしかしたらMYPの科目を担当されている先生方も同様に苦悩されている先生が全国にたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな苦悩をみんなで共有できたら、日本における教育の発展に何らかの示唆を与えるのではないでしょうか。次回はもう少し市立札幌開成中等学校で開催された「第1回 min-naの探究marche」の模様をお伝えしたいと思います。

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