今からIBを始める君へ:今、なぜIBなのかを考える

生徒・保護者向け -

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。私は現在、文部科学省国際バカロレア教育推進コンソーシアムでこれからIB教育を導入しようと思っている学校のサポートをしています。

2月11日(木)には長崎県佐世保市で開催が計画されている「IB教育推進コンソーシアム地域セミナー in 九州」に登壇する予定です。何人かの当ブログの読者の方から「行きます!」とメッセージをいただきました。IBのイベントで九州に行くのは初めてなので、楽しみにしています。無事に開催されることを願っています。

IB教育推進コンソーシアム地域セミナー in 九州のお知らせ

さて、年末年始の休みが始まりますね。今日は、IB教育に関心を持つ保護者や先生方に向けて書こうと思います。2冊の本を紹介します。「なぜ、今、日本の学校教育にIB教育が導入されなかればいけないのか」そういう視点で読んでいただきたいんです。

日本の学校教育の変換点を迎えて

今、日本の教育は大きな変換点を迎えています。業界では明治維新以来の大改革なんて言われてもいますよね。大学入試改革もそうですし、経済産業省が未来の教室を提言したのも、学習指導要領の縛りを超えた国際バカロレアのプログラムが一条校で実施できるようになったのも、その一連の流れの中にあります。

私が前任校である筑波大学附属坂戸高等学校で国際バカロレア・ディプロマ・プログラムのコーディネーターに指名されたのは今から6年前。当時はまだまだIBはほとんど認知されていませんでした。その教育プログラムがなぜ日本に導入されるようになったのか、なぜ必要なのかといったことも含めて、勤務校はもちろん、PTA、筑波大学での様々な会議で話さなければなりませんでした。

コーディネーターとはいえ、たまたま指名されただけであって、IBに関する知識は皆無でしたから、すぐすぐにはうまく説明できませんでした。事実に基づいた情報だけではなかなか伝わらないんです。かといって、浮ついた話をすれば、筑波大学の副学長が集まる企画会議で「熊谷、甘い」と叱責されることも一度や二度ではありませんでした。

そんな時出会ったのが、「ライフシフト」、「ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則」という本です。この2冊には本当に助けられました。どちらかというと前者は中高生の保護者のみなさん向け、後者は幼稚園・小学校の保護者のみなさん向けの本かなと思います。

21世紀を学ぶ君へ

プログラミング教育が小学校から導入されることが決まりましたよね。「何で?」「負担がまた増える」と思う先生方も多いと思いますし、保護者のみなさんにとってもその必要性がピンと来ていないのではないでしょうか。

「ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則」を読んで、私はストンと納得できましたし、早期プログラミング教育が子どもたちに育むスキルに期待するようになりました。今、学んでいる子どもたちが大人になったとき、といってたった10年、20年先のことですが、急速に変化し続けるグローバル社会において、これまで人類が経験したことがない新たな課題に直面していくことでしょう。

学校の成績やテストの点数が高いことがそんな時代を生き抜くことの担保になるでしょうか。単に教科書に書かれた問題を解決するのではなく、自ら課題を見つけ、異なる価値観を持つ他者と創造的かつ革新的に解決するマインドを以って、新しい方向性を生み出す人材の必要性は何年か前のダボス会議でも提唱されています。

「ライフシフト」はIBについて知りたい先生方や保護者のみなさんにはこれまでに何度もお薦めしてきました。学ぶことそのものの新しい意味づけについてわかりやすく時代背景を絡めて説明しています。私はこの本を読んで、「そうそう。だから必要なんだよね!」って大きくうなずきました。

人生がもしも100年続くとしたら、例えば大学までで勉強したことでは知識もスキルも途中で枯渇してしまいますよね。途中でまた学びなおすことが必要となってきます。学校の役割は学習者に生涯に渡って学び続ける知的体力を培うことにシフトしていきます。とすると、探求型学習っていうのはやっぱり必要だってなるし、学んだことを体系化して、他の事柄にも応用できるように概念化することは学習の効率をあげますよね。

最後に

この2冊の本を読みながら、みなさんの内なる問題意識の正体を探ってみませんか。なぜ今、教育改革が必要なのか。それに答えている本です。ぜひ読んでみてください。そしてその感想をシェアしていただけたら嬉しいです。子どもたちもそうですが、我々オトナも生涯に渡って学び続ける学習者です。

私自身、全然知らないことばかりで、いつまでも学びきったという実感がありませんが、好奇心をもって今後とも学びたいとは思っています。私は大人として、教育者として、学習者の先輩として子どもたちにできることは、学び続ける姿を見せることしかないかもしれません。

来年もよりよく学んでいきましょう。どうぞ良いお年をお迎えください。