出会いと学びと私と情熱

みなさん、初めまして。古屋佑奈(ふるやゆうな)と申します。玉川大学大学院で国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)教員になるべく学んでいる院生です。院生という立場からIBのこと、教育のこと、自分のことなど、色々お伝えしていきたいと思っています。

今回は私の核となっている「人との出会い」をキーワードに書きたいと思います。

人との出会いによって

まずは簡単に私の経歴を。

私は北海道の教育大学を卒業し、北海道の田舎にある小学校に1年間勤めました。その後、教員になるのではなく、小学校から続けていたバスケットボールに関わる仕事がしたいと北海道を飛び出し、4年間プロバスケの世界でスタッフをやらせていただきました。

そしてひょんなことからIBと出会い、今は再び教員になるべく教育学やIBを学んでいるわけです。私にとってここまでの数年はとても濃密な時間だったので、機会を改めて語らせてください。端折って言うと、人との出会いによって、私の進む道が大きく変化してきたことは間違いありません。

本当は、行動を起こす時、何かと保険をかけておきたいタイプなのですが、バスケの世界に飛び込む時も、仕事を辞めて大学院に入る時も、直感的に「やりたい!」という思いに駆られて動いてきました。昔から人と関わることは好きだったので、色々なところに顔を出してきたつもりですが、そのフットワークの軽さは日増しに拍車がかかっている気がします。

そんな中で出会ったのが熊谷先生。初めてのお会いしたのは、私の地元札幌でした。

熊谷先生との出会い

IBの教員になるためには、大学院のIB教員養成課程を修了するか、国際バカロレア機構(IBO:International Baccalaureate Organization)のワークショップを受けることが必要です。私は小学校と中学校、高校の保健体育の教員免許を持っているのですが、大学院ではIBの教科ごとの学習をするわけではありません。なので、IBOの保健体育のワークショップを受けたいと思っていたのですが、院生には参加資格がありません。

参加者として認められないなら、「せめて!」との思いで、札幌で開催されるワークショップの運営スタッフとして入れてもらいました。そこに保健体育のワークショップのLanguage Supporterとしていらっしゃったのが熊谷先生でした。
熊谷先生のウワサ(!)は周囲から聞いて存在は知っていたので、ご挨拶をと思い、到着の知らせを受けて教室に行くと、すでに1人で机に向かって何やら書き物をしていました。恐る恐る背後から「熊谷先生ですよね…?」と話しかけるとパッと振り返って、自己紹介をしてくださったような気がするのですが、その時私は、机の上に広げられた資料にびっしりと書き込まれた文字に目がいってしまい、先生と何を話したかあまり覚えていません。

「MYP(Middle Years Programme)も初めてだし、体育のことも全然知らなくて……」と不安を口にする熊谷先生。なるほど。この文字の量は、その不安を軽減するために、時間が許す限り勉強していたということだったんですね。

「私、専門が保健体育なんです。なので、たまにワークショップ覗かせていただいてもいいですか?」と尋ねた時、断るどころか、熊谷先生の目が「キラーん」となったのは、勘違いではなかったような気がしています。

全国の熱心な先生方との出会い

ワークショップが始まると、参加者はワークショップリーダーが用意した様々なアクティビティを行います。「IBとは?」から始まり、3日間かけてじっくりIBについて学びます。

札幌のワークショップでは、廊下に各教室から楽しそうな話し声や笑い声がしょっちゅう聞こえてきました。そうかと思えば、机に向かって頭を抱えながら資料を読み、指導案を作る先生方。熱心に学んでいる先生方の姿を目の当たりにして、私も学ぶ側としてワークショップに参加したいという思いは強くなります。

するとすかさず熊谷先生は私に、「今から評価のことやるんだけど、サポートしてくれない?」「リーダーはこれについてこう言ってるんだけど、どう思う?」と、何かと声をかけてくださって、ついにワークショップをやっている教室に誘ってくれました。

そこで私が熊谷先生に自分の考えを伝えると、「それ今からみんなに伝えてよ!」と、その場で急遽私が考えを述べる場を提供してくださいました。もしかしたら熊谷先生は、「使えるものは使ってやろう」だったかもしれません。「参加している先生方に、一つでも多くの学びを!」だったかもしれないし、もしかしたら私に先生方と関わる機会を提供してくださったのかもしれません。何れにしても、すごいな、と思ったのです。Open-minded(心を開く人)、Balanced(バランスが取れた人)などなど、IBの学習者像を熊谷先生自身が実践していると思いました。

おかげで、IBについて研究している私のような院生にたくさんの先生方が話しかけてくれたり、質問をしてくれます。私がそれに応えると、熱心に聞いてくれました。

ワークショップに参加している方々は、日本の教育に関わる人たちのごくごく一部です。ワークショップに参加した背景も想いも様々。それでも、こんなにも熱心に学ぶ先生方がいるというまぎれもない事実。

IBと出会って、このような熱心に学ぶ先生方と接することができたのは、私の大きな財産です。そんな先生と学べる生徒は幸せなんじゃないかなって思うんです。それはIBどうのこうのという話ではなく、自らも学習者であり、自分のことを考えて熱心に授業してくれる先生と学びたいって、生徒は思うんじゃないかなって。

どうしようかな、って迷って行動を起こせていないことがもしあるなら、まずは動いてみるのもいいかもしれません。たくさんの出会いと学びが、その先にあるかもしれないですからね!

最後に

それぞれ年数を書いているので、私のだいたいの年齢がバレるところですが。(笑)

どこでどんな出会いがあるかわからないからおもしろいし、またいろんなところに行きたいと思う。私がこのブログ(今からIBをはじめる君へ)を読んでくださっている方々に何が伝えられるのかはわかりませんが、このブログを通して、読んでくれているみなさんとどこかで繋がって、何か新しいものが生まれたらおもしろいなぁ、嬉しいなぁ。そんな思いでこれからも書かせていただければと思います。

次回は私が所属する大学院での学びとともに学ぶ仲間を紹介できたらと思います。今回このような機会を与えてくださった熊谷先生に感謝しつつ、みなさんまたお会いしましょう。