IB認定校への道 -IBの先生になるには5-

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みなさん、こんにちは。熊谷優一です。筑波大学附属坂戸高等学校で国際バカロレア・ディプロマ・プログラム・コーディネーターをしています。

現在、当ブログで最も読まれている記事は、「どうすればIBを教える教員になれるのか」について扱った回です。

IB教員を目指しているみなさんに向けて、その方法について熊谷優一が解説します。

ということは、もしかしたらIBの先生を目指している学生のみなさんや、現職の先生方に読んでいただいているのかもしれません。ということで、今日はIB教員募集について取り上げたいと思います。

これまでの流れをおさらいしましょう

いくつかの学校でコンサル訪問や最終訪問を受けるので、何かアドバイスはないかとここ2カ月くらいで問い合わせを受けました。順調にいけば、今年度中、もしくは来年度中にIB認定校がばばばっと増えるのではないかと予想しています。

さて、これまで多くの候補校・認定校では、校内の先生にIBの公式ワークショップを受けさせることによってIB教員を養成してきました。したがって教員経験のない、大学生や大学院生がIBの先生になりたいといってもその門戸が開かれているとは言えませんでした。

現職の先生の場合であっても、公立の学校には人事異動がありますよね。IBに携わるには、少なくてもIBをやろうとしている学校に転勤しなければなりません。大概、公立の学校でIBをやるなら、県庁所在地にあり、進学校で、生徒にも先生にも人気の学校であることが多いのではないでしょうか。

転勤には自治体ごとに様々なルールがありますよね。区分された地域や校種をすべて経験するとか、何年かのサイクルで移動するとか… そういうルールもあると、なかなかIBを教えたいと思っていてる現職の先生にとって、IB校に赴任する機会が訪れないという嘆きもあるかもしれませんね。

新しい動き

ただ、ここにきて新しい動きがあります。高知県、広島県、大阪市に新設の公立IB校が開校すると報道がありました。山梨県、滋賀県、京都、宮城、佐賀でも公立でIB校開設の動きがあります。私立の学校も仙台育英はMYPの候補校にもなりましたし、全国的にIB校は増え始めています。

これまでは、すでに存在する学校をIBの学校にする中で教員養成が行われてきましたが、今後はIB教員の枠を設けて採用するといった自治体も出てくることが予想されます。そしてそのことはIBを教えたいと思っている現役の先生たちにとっても注目に値します。

今年度そのようなIB教員を別枠で募集した自治体があります。高知県です。高知県では県内初となるIBプログラムを実施する高知県立高知国際中学校・高等学校が順次開校します。

では、高知県の採用に関して開示されている内容を見てみましょう。

高知県のIB教員選考について

募集は「国語、社会、地理歴史、公民、数学、理科、音楽、美術、保健体育、家庭」の教員で中学校・高校は区分がないようです。募集人数は2名程度と記載されていました。各科目2名なのか、全体で2名なのかはこの資料からはわかりません。

注意して読まなければいけないは、応募資格のところです。7項目記載がありますが、最初の5項目はすべてに該当しなければなりません。その中で、(2)のアとイの項目を見てみて下さい、次のように記載があります。

(2) 次のア又はイのいずれかに該当する者
ア  国際バカロレア教員資格ACTL(advanced certificate in teaching and learning research)を有する者又は採用される日の前日までに取得見込みの者

イ  DP(Diploma Program)若しくは MYP(Middle Years Program)の指導ができる国際バカロレアの教員資格CTL(certificate in teaching and learning)を有する者又は同資格を採用される日の前日までに取得見込みの者であって、学校教育法(昭和22年法律第26号)第一条に規定する学校、インターナショナルスクールその他の教育機関において、国際バカロレア教育に指導者として従事した期間が一年以上ある者若しくは同期間が採用される日の前日までに一年以上となる見込みの者

平成29年度高知県立中学校・高等学校教員採用候補者特別選考審査 募集要項-より

ここにACTLかCTLの資格のどちらかを所有していることとあります。ACTLを持っている場合は、IB指導経験は問われませんが、CTL保持者にはIB指導経験が一年以上という条件が加わっています。つまり、そのどちらの資格がない場合は応募することはできないとすると、応募できる人は限られてきますね。

最後に、選考方法です。「模擬授業、口頭試問、面接審査及び提出書類等により総合的に判定します。」とあるので、筆記試験は課されないようですね。どういった人が応募して、どういった人が採用されたのか気になるところです。

最後に

ACTLとCTLという資格は、国内では筑波大学玉川大学の大学院で取得することができます。そしてCTLに限ると都留文科大学(学校のHPには明記されていませんでした)と岡山理科大学(大学のHPには数学と理科に特化した Subject teacher certificateと記載がありました)では学部でCTLを取得することができるようです。詳しくは各大学に問い合わせてみてください。

さて、高知県はIB校を開校するにあたって、IB教員を別途採用する枠を設けました。対象はIBの指導資格を持っている人でした。今後、どのような形で募集をかけられていくかについては注目していきたいと思いますが、この流れは他の自治体にも広がることが予想されます。

IBを教えたいと思っている現役の先生方は、IB教員として新たなキャリアを築く機会が生じる可能性があります。3月に大阪で行われるワークショップはまだ締め切り前ですから、本気で考えている先生は参加を考えてみて下さい。

学生のみなさんは、IBの資格を得ることができる大学や大学院で学ばないと機会はある程度待つ必要があるようですね。まずは教員として採用されて、研修の機会を得て、IBに従事することになると思います。でも、世代交代は必ず訪れます。いつでもチャンスを掴むことができるように、計画的に自らの教員としてのキャリア形成をしていきましょう。

新たに募集の情報が入手できたら、当ブログでも取り上げていきたいと思っていたところ、広島のIB校の採用情報が入ってきました。公立の新設校は独自採用する流れが広がっていくかもしれませんね。今後も注目です。

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