みなさん、こんにちは。熊谷優一です。8月末から最近まで2つのIBの会議に出ておりました。うちひとつは私が主催する会議だったので、その準備とそのあとの事務作業に追われて、今月はブログのアップデートができませんでした。
さて、全世界共通の日程、共通の問題で約3週間にわたり行われるディプロマプログラムの最終試験まであと一ヶ月を切りました。おそらく、一条校で学んでいる皆さんは、10月27日(木)午後のGroup 1の科目から登板することと思います。地理とEnglish BをどちらもHigher Levelで選択している皆さんは一日で4つ試験を受けるので11月7日(月)が山場ですね。集中力をコントロールできよう入念にコンディションを整えて臨んでください。
今回の試験までコロナ禍における試験の出題範囲や時間の軽減措置が取られています。その措置が取られていた昨年の結果はコロナ前に比べて点数が良かったという声が多く聞かれました。今年受験される皆さん、チャンスです!
本日はディプロマを取得するための基本情報と詳細要件について取り上げたいと思います。
<ディプロマ取得基本要件>
国際バカロレア・ディプロマプログムでは、コア科目(必修科目)の知の理論(Theory of Knowledge: TOK)、課題論文(Extended Essay)、そしてCAS(Creativity, Activity, Service)と、母語、外国語、社会、理科、数学、芸術の6つの教科グループの中から基本的には1科目ずつ選択し、学習します。どの科目を選択するかは、学校がどの科目を提供しているかによります。情報は古いのですが、プログラム内容の詳細は以下のエントリーで解説していますのでご覧ください。
さて、国際バカロレア・ディプロマプログムではディプロマ(資格)を取ることが一義的な目標になりますが、ディプロマ取得には一定の成績が求められます。各科目の成績は7段階評定で最終的には表されます。つまり、7点×6科目で42点。そして知の理論(Theory of Knowlede)と課題論文(Extended Essay)の点数が合算され最大3点。合計で45点満点です(CASは履修しなければなりませんが、評定はつけられません)。
ディプロマはそのうち24点取れれば付与されると説明されていますが、実際は24点とっても付与されないケースがあります。これまで見てきた中では30点以上取っていても、ディプロマが付与されなかったということがありました。つまり、パッシングスコアと言われる24点以外にも細かい付与条件があるわけなのです。
<ディプロマ取得詳細要件>
では、ディプロマが付与されるためにはどのような細かい条件があるのでしょうか。今日はそのことについて書いていきたいと思います。
Diploma取得のための要件は、『ディプロマプログラム(DP)における評価の手順 2022年版』に記載されています。
①SL3科目、HL3科目、コア3科目の履修条件をクリアし、45点満点中24点以上取得すること。
②コア3科目のうち、「知の理論(TOK)」と「課題論文」で別紙の成績(どちらもD以上の評価であること。どちらかの評価がE以下であった場合は付与されません)を取得すること。
③各科目は7段階で評価されるが、1がついた科目がある場合はディプロマは付与されない。
④各科目は7段階で評価されるが、2がついた科目が2科目以上ある場合はディプロマは付与されない。
⑤各科目は7段階で評価されるが、3各科目は7段階で評価されるが、HLの科目の合計が12点以下の場合はディプロマは付与されない。
⑥各科目は7段階で評価されるが、SLの科目の合計が9点以下の場合はディプロマは付与されない。
⑦学問的不誠実性が認められた場合にはディプロマは付与されない。
SLの科目で9点以下というのはなかなか考えられませんが、HLの各科目で7点満点中、それぞれ4点以上取ることは意識してくださいね。
<最後に>
現3年生の皆さん、オン・オフは大事です。一日二日で終る試験ではないので、ずっと緊張状態では心の前に身が持ちません。筋トレと同じ。休息も必要です。最終試験終了まで、計画的に臨んでください。皆さんの健闘を心から祈っています。
次回からは毎年恒例の「ToKtober Fes」を10月(October)の一ヶ月間開きます。これまでリリースしてきたエントリーの中から、私の独断と偏見でTOK(地の理論:Theory of Knowledge)の視点をもったものを選び、再編集してお送りします。