皆さん、こんにちは。熊谷優一です。昨日、7/27(日)に大阪女学院のチャペルにて開催する『チャリティ・キャラバン 2025 in 大阪 夏〜国際バカロレアの学習と学びの連続性について考える〜』のプレスリリースを行いました。本日はその企画意図について書こうと思います。
2019年8月に『ナレッジキャラバン in 大阪 夏』を開催して以来、6年ぶりのイベントになります。私たちはどのようにして地域社会に貢献できるだろうかを考えた時に、私たちができることは私たちの取り組みについて情報共有することだと考えました。
国際バカロレアという新しい学習機会が日本の教育界に設けられて10年以上経ちます。6月10日現在で日本には130校の国際バカロレア認定校があり、各IBのプログラムを受けることができます。私が筑波大学附属坂戸高校でIBの担当になった2015年同時はインターナショナルスクールを除いて、国公私立でIBのプログラムを受けられたのはわずか数校でした。今では全国各地で、IBのプログラムを受け、進路を開拓していくことができるようになりました。
しかし、実際の受講生はそれほど増えていません。私は『知の理論(Theory of Knowledge:TOK)』という高校生対象のディプロマプログラムの世界必修科目の採点方針を策定するプリンシパルイグザミナーをしていましたが、同時期に始まった韓国のIB生の爆発的な増加と比べても日本の生徒の総数は伸びはいくばくかでした。
そんな中で、私が前任校、大阪府立水都国際で教えた生徒たちは、国内の大学はもとより、奨学金を得て海外の大学に進学していきました。海外大学留学といっても、例えばハーバード大学は寮費を含めると年間1,300万かかると東洋経済でも取り上げられましたし、岩崎絵美里さんも本ブログで書いてくれたように、すべての家庭の生徒たちが自力で実現できるわけではありません。彼女の奨学金取得のためにどのようなことをしたかについては以下のエントリーをぜひご覧ください。私自身も国から奨学金を受けて海外の大学院留学が叶いましたから、コーディネーターとしてIBの勉強だけではなく、奨学金取得についても高校入学時から取り組めるように指導していました。
実際に学習者や保護者を対象として、IBのプログラムではどのようなことをどのように学び、評価されるのか、そのプログラムを受けた学習者がどのような進路を選択することが可能なのか、そのプログラムが日本の教育界に導入されたことにはどのような意味があるのか、などなど十分に伝わっていないように思います。そのことがIBの認知の広がりを限定的にし、選択にいたらないのではないように思います。
一方で、IBをよく知っている身からすると、こういった学び方があって、こういった進路実現の道があることを知って選択しないのはいいと思うんですが、知らないで選択しないのは、なんだか機会損失のように思えて勿体無いと思うのです。奨学金もそう。知っていれば獲得のために努力しますもん。たとえ獲得できなかったとしても、それを目指して努力した成果はしなかった場合と比べると雲泥の差です。当たって砕けろ。100個応募して1個つかめればいいんです。私は強かに、毎年奨学金の試験を受けて、教員になって11年目、34歳の時に奨学金を得ました。レジリエンスというのでしょうかね、随分鍛えられたと思います(笑)。
随分話題が逸れてしまいましたが、そういった背景があって、このイベントを通して、こんな学び方も選択できて、こんな進路を開拓できますよという情報を共有することが、実践してきた私たちにできることだと思いいたり、イベントを企画しました。合わせて、そしてそのことを通して募金を募り、災害が多いこの国で生きる私たちが次の災害から命と生活を守るために寄付することは、東日本大震災で被災した私自身の経験もあり、大切なことだと思い、チャリティイベントとすることにし、プレスリリースでは以下のように企画意図を説明しました。
チャリティ・キャラバンin大阪2025 夏2023年4月に開校したAIC国際学院大阪初等部が国際バカロレア認定校となったことを記念し、7月27日(日)に大阪女学院中学校高等学校と共催で標記イベントを開催いたします。昨今、日本では国際バカロレアのプログラムを提供する学校が増えていますが、そのプログラムにおける学習の連続性については十分に説明されてきたとは言えません。そこで、本校が目指す高校生対象のディプロマプログラムにおける学習につながる逆向きのカリキュラム設計について、指導者と学習者の視点から考察するイベントを通して、日本における新たな学習機会選択の一助になればと本イベントを企画いたしました。
さて、次回はイベントの中身について、現在決まっている登壇者も含めてお伝えします。次回は3日後、6月13日(金)8:00頃にリリースしますね。最後まで読んでいただきありがとうございました。